2026.07.01

出荷休止

 2023年の夏、全国各地で40℃以上を記録する地点が続出し暑さの記録が塗り替えられました。北海道でも札幌市で観測史上最高の36.3℃、北見市では37.1℃を記録し、気象庁からも異常気象だったと発表されたほどでした。
 そんな夏、梅山豚に異変が起きます。通常の夏でも受胎率が下がる傾向にありましたが、全くといっていいほど種が付きません。毎月8頭くらいは分娩があるのですが、2023年の夏に交配した梅山豚は妊娠期間114日間を経て、11月に2頭、12月に2頭、翌1月に3頭分娩と激減しました。
 種がつきにくいということは、産まれてくる子豚も少なく上記3ヵ月で50頭しか産まれません。これは1回の分娩で平均約7頭と通常より5割も少なく、多産系とは思えない状況となりました。
 子豚が産まれなかった結果、いつものお取引先にいつものようにお肉をお届けできないことがわかりました。これは社長の昇にとって初めてのことでした。百貨店の売り場を空けることになり、料理屋さんのメニューも書き換えなければなりません。ご迷惑をおかけするため1軒1軒ご連絡をして状況を説明し謝罪を繰り返しました。幸いお取引先は皆理解を示して下さり、梅山豚の再開を待っていただけることとなりました。
 そして2024年8月~10月まで、3ヵ月間出荷を休止しました。この間の売上は、加工品や冷凍のお肉のみとなり経営的にも苦しい期間となりました。
 2024年11月の出荷再開は本当にできるのか?各取引先からは何度も質問され、その都度空室の多い豚舎を眺めながら豚を数え、そのコンディションを確かめる日々が続きました。
 昇は考えていました。お取引先はこの間梅山豚の代わりに別の銘柄豚を取り扱う事になります。梅山豚と比較してそちらに替えることが無いとは言えません。この3ヵ月間は梅山豚の真の実力が試されるような気持ちでした。これほど緊張したことは無かった昇です。
 そしていよいよ11月の出荷再開の案内をすると多くの注文が入りました。全てのお取引先は3ヵ月前と同様に梅山豚を選んでくれたのです。昇はホッとしたのと同時に感謝の気持ちが溢れました。「梅山豚が無きゃ困るんだよ」嬉しい言葉に胸が熱くなるのを感じました。
 改めてファンを裏切らないよう安定してお届けするにはどうしたらいいのか?その後も毎年のように暑い夏は続きます。しかし暑いなんて言ってはいられません。あの出荷休止した3ヵ月を再びおこさない、そう胸に誓い真夏の農場で汗を流す昇でした。

今回で梅山豚のあしあとは一区切りとなります。
これからもあしあとは続きますが、それはのちほど。

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