2009.08.05

第4回~茨城へ導入するまで 

 皆さん、豚の飼育頭数の多い県はご存じですか?
 鹿児島県、宮崎県に続いて上位にランクされるのが茨城県や千葉県です。自然と豚の感染症(流行性肺炎など)も多くなります。そこで大切な梅山豚を病気から隔離しようと考え、長野県蓼科の、ある肉牛牧場に委託する事にしました。
 肉牛牧場では、豚の飼育は初めてでした。交配や分娩をその都度教えに行き、翌年から産まれた子豚を種豚として順次茨城に導入しました。
 事実、種豚の茨城導入までに1年以上の期間がかかり、その種豚が産んだ子豚を肉豚として出荷するのにさらに1年以上の期間がかかりました。
 蓼科-茨城の往復は2年で30回を数え、長距離の移動のため会長夫妻は交代でトラックを運転しました。早朝から餌を与えて2人で出かけるため、茨城の農場の管理もおろそかになり成績はじりじりと下がっていきました。さらに、その間蓼科での飼料費、管理費、衛生費などは2,000万円以上、梅山豚の売上はゼロ、会長のロマンは確実に現実を見失い始めていたのでした。
 しかし、「梅山豚」はそんなことも知らず、肉牛牧場の方々の熱心な飼育のおかげで日本の気候や環境になじみはじめていきました。

蓼科で生まれた梅山豚
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