2010.02.01

第9回~種豚の統一

 梅山豚専業となる決心をして、60頭の梅山豚に種豚規模を縮小しましたが、大きな問題は残っていました。
 肉にしている豚は純血梅山豚でした。つまり梅山豚♀×梅山豚♂の組み合わせです。
 純血梅山豚は、飼育日数365日(白豚の2倍以上)、生体から精肉の歩留約35%(白豚は約50%)と飼育期間が長いのに肉がつかない効率のものすごく悪い豚です。
 白豚より大幅に高値で販売しても採算がとれません。
 昇は意を決してファンクラブに相談しました。
 「肉にする豚を純血梅山豚からF1(50%梅山豚)にさせて欲しい」と。
 それまで、かなりの種類の豚との掛け合わせを実験し、ある答えを出していました。霜降りの肉質を持つデユロック種の雄を掛け合わせるのが最も相性がいいと。
 ファンクラブへの相談の席に梅山豚♀×デユロック♂という掛け合わせの肉を持っていき試食してもらいました。
 結果、皆さん「美味しい」「ジューシー」「香りがいい」など高評価で、梅山豚の美味しさを引き継いでいる事を確認し交配を変更することとなりました。
 これにより、飼育日数は270日に、生体からの精肉の歩留は約41%に改善しました。
 脂身は「敵」というこの時代を生き残ってこられたのは、肉豚を梅山豚♀×デユロック♂という交配に変更したことが大きかったと思われます。
 現在は、脂身が「美味しさ」などと言われることが増え、脂身の多さで苦しんだ時代が懐かしく思い出されます。

一覧に戻る