2010.04.14

第11回~従業員の採用

 社長である昇の一日は、早朝牧場に出て餌や掃除など、午後は「麦茶の搾り粕」や「パン」などの飼料原料をトラックで引取り餌づくり、夜パソコンに向かい豚や飼料のデータ管理や経理業務など、
という忙しさで社長とは程遠いものでした。
 会長であるとうちゃんと、かあちゃんと自分といういわゆる「三ちゃん農業」の典型の姿でした。
 東京で金融マンだった昇は決心します「家業を会社にしよう」と。
 茨城に戻って見る農業の風景は、高齢化や担い手不足により衰退していく姿ばかりでした。
農業が開かれた産業になり、優秀な人材が集まり発展していくためにはどうすればいいのか?昇は常に考えていました。
 そんな中、平成10年に初めて事務担当の女性パートさんを採用します。
 請求書をまとめたり、取引先に代金を振り込んだり、給与計算をしたり・・・会社にする第一歩はそこから始まりました。
 翌11年にはトラックで飼料を運搬するドライバーを採用し、飼料製造を本格化していきました。
 しかし、募集しても募集しても応募がなかったのは牧場で働いてくれる人でした。

 やはり牧場で人を採用するのは難しいのかな・・・・と諦めかけた平成15年、東京から地元境町へUターンしてきた男の子が面接に来ました。その彼が入社すると、販路の拡大に合わせて人員を増やすことができるようになりました。
 平成22年現在は、販売部門と飼料部門、牧場部門あわせて総勢17人。
 農業を担う若い人が集まり、少しずつですが家業から会社になってきました。

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