初めての外国人技能実習生
日本の農業は外国人抜きには語れない、と言われています。朝採れの野菜も、人気の果物も、魚も牛乳も、そして豚肉ももちろん多くの日本農業・漁業の現場は外国人技能実習生に支えられています。
塚原ファームでも以前から外国人技能実習生について検討してきました。しかし、言葉が通じないことから様々な仕事がすぐ覚えられるのか?仕事が嫌になって脱走したりして企業責任を問われないのか?当たり外れがあると言われるが、働かない実習生だったら3年間も我慢できるのか?等々躊躇する理由は数多くありました。
しかし、社長の昇が2度目の入院をした頃から、新たに採用した日本人社員は定着せず、ベテラン社員まで次々に退職する事になり、遂に農場は社長とパートタイム社員の2名となりました。
ここまで来たら外国人技能実習生を迎え入れてみようと決心しました。どこの国からの実習生にしようか?男性と女性はどちらがいいのか?社内で検討を進め、結論としてはタイ人の女性を仲介会社に申込むことにしました。それから4ヵ月後の2019年11月末、運良くトントン拍子で実習生のカンジャナ(通称ワンちゃん)が入社してきました。スラっとした2児の母でもある彼女は31歳、少しシャイな性格でしたが真面目で勤勉でした。
知り合いのいない日本に一人ぼっちで移り住み、初めて養豚という仕事に就いたワンちゃんは良く働きます。日曜日以外は一日も休まず、遅刻も早退もせず、暑い日も寒い日も文句ひとつ言うことなく頑張りました。6か月、そして1年が過ぎ、どんどん日本語を覚え話せるようになって来ました。すると、彼女の梅山豚への気配りと気付き、毎日毎日の変わらぬ落ち着いた働きぶりに感心するようになりました。どうしてもっと早く申し込まなかったのかと思いました。主に母豚の世話をしてもらっていましたが、女性として母としての気配りがとてもよく、欠かせない戦力になっていきました。
当初不安に思っていた日本語が話せるか話せないかは結局大きな問題ではありませんでした。優秀な人材を広く採用することが大切だと改めて実感し、新たにもう1名を迎え入れる決心をしました。次に入社してきたのはピントン(通称プーちゃん)、身体は小さいけれどガッツのある頑張り屋さんです。先輩のワンちゃんも同じタイ人の後輩ができて嬉しそう、後輩のプーちゃんも先輩がいて心強そうです。ここから常時二人の実習生と共に梅山豚を育てて行くことになるのです。