2026.02.01

コロナパンデミック

 それはあっという間の出来事でした。中国武漢に始まった未知のウイルス感染は瞬く間にヨーロッパ、アジア、アメリカ他全世界に拡散し、グローバル社会の危険な側面を露呈させました。いま生きている人類が経験した事の無いパンデミックは、スペイン風邪以来実に100年ぶりのことであり、世界では既に3億人以上が感染し、550万人以上が犠牲になりました。
 日本では、2020年4月に第一回緊急事態宣言が出され、一旦落ち着いたように見えたその9か月後の2021年1月にまたしても第二回緊急事態宣言が出されました。常にマスクを付けた生活が始まり、出社しなくて自宅で仕事ができるリモートワークも広がりました。三密を避け、会合や大人数での食事会は開かれなくなり、葬儀すらも近親者のみの家族葬が主流となり、これまでとは一変した生活に人々は戸惑いを隠せないでいました。ワクチン接種が始まりましたが、その安全性に疑問視する噂もネットで広がり、人々が疑心暗鬼に陥り不安の中を生きている、そんな状況がしばらく続きました。
 私達も取引先のレストランの休業により大きな影響を受けました。そもそも梅山豚には販売先がありませんでした。市場に出荷しても三元豚の規格で格付けされるため「上物」になる事は無く、「規格外」として大幅な安値で取引されてきた梅山豚。そこで個人向けに頒布会形式で販売を開始し、百貨店やレストランなどへ自ら一軒一軒販路を拡げてきました。特に近年はレストランへの販売に注力してきたわけですが、コロナによりその多くから注文が無くなってしまいました。
 そんな中でも豚は餌を食べ大きくなります。止む無く再び市場にも出荷する事にしましたが、やはり「規格外」と格付されて赤字は拡大して行きました。長引くコロナ禍に社長の昇は生産規模を約3割縮小する決断をします。一度しゃがんで再びジャンプできる日のために力を蓄えようと考えたのです。梅山豚をお届けできるお取引先があるのは幸せなことだと再確認することになりました。ファンが無ければ成り立たない、ファンと共に歩むのが梅山豚なのです。
 おりしも豚では「豚熱」というウイルスが野生のイノシシに感染し、次々と感染地域を拡げていました。豚熱に感染した野生のイノシシが発見される地域は、豚への感染も度々起きました。ウイルスの侵入を防ぐ試行錯誤の日々が続いています。人間も豚もウイルスといかに共生していくのか改めて問われる難しい時代に、社長の昇は不安の中向き合って行く決心をするのです。


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