2022.07.05

クローバー・ファームさん

 飼料用トウモロコシの栽培を始めて8年目、今年は様々な意味で節目の年になりそうです。
それは、地元茨城県境町で飼料用トウモロコシを栽培する農家さんが現れたことです。
その名前はクローバー・ファーム、高橋大希さんが代表を務める農業法人です。
 もともと梅山豚に与える飼料用米の田植えや稲刈りの作業を委託していたのがクローバー・ファームさんでした。
3年前からは飼料用トウモロコシの畑を耕したり、播種してもらったりと関係を続けてきました。
代表の高橋さんは、ユニークな経歴でも知られています。
 実は彼はお婿さん、長年続く茨城の米農家に、東京に産まれて保育士をしていたのを辞めて就農したのです。
 お子さんが4人いるので四つ葉のクローバーにちなんでクローバー・ファームと名付けたそうです。
 先日5人目のお子さんが産まれ、PTAのお仕事やら、地元のお仕事やらに大忙し。
 余談ですが、彼が東京産まれなのを役所の若手職員も気づいていないほど、地元に溶け込み茨城弁も上手なのです。
 クローバー・ファームさんは米の他に、大豆やパン用小麦の「ゆめかおり」を生産しています。
 ゆめかおりは地元茨城のセブンイレブンのパンにも使用されている人気急上昇のパン用小麦です。
 そんなクローバー・ファームさんが、自らの畑の土壌改良のために選んだのが飼料用トウモロコシなのです。
 トウモロコシは上に2メートルも伸びますが、実は地中にも同じ2メートルの深さまで根を張ると言われています。
 トウモロコシを作ると自然と水はけが良くなるのです。
 さらに、子実のみを利用するトウモロコシは茎や葉は畑に還元され、緑肥としての効果もあります。
 そして驚いたのがその栽培規模です。私たちが0.5ヘクタールからなかなか規模拡大できずにいたのに、いきなり初年度7ヘクタールから始めると聞きました。
 私たちの昨年の収穫量2.5トンの14倍、35トンの収穫を見込んでいるのです。
 もちろん収穫されたトウモロコシは全量を梅山豚向けに販売してくれることになり、止まっていた時計が一気に動き出したそんな感じです。
 梅山豚の飼料は年間300トン必要です。
 今までの収穫量ではその1%すら賄えませんでした。
 これで梅山豚の国産飼料比率もさらに上がる見込みです。
 世界ではウクライナの戦争を機に食料危機が危惧されています。
 日本の畜産飼料はそのほとんどを輸入に頼っていて、トウモロコシなどの飼料穀物が不足し輸入できなければ、国内で豚を飼育することができません。
 日本でも食糧危機は他人事ではないのです。
 そんな年に始まったクローバー・ファームさんとの飼料用トウモロコシの協業が、国産トウモロコシ市場拡大の初めの一歩になるようこれからも手を携えて進んで行くつもりです。

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