2026.10.01

内水氾濫に備える

 2026年8月13日に千葉県を中心とした記録的な大雨では、死者13名を数え浸水被害は約4000戸、10日以上経過しても断水が続く地域があり避難を余儀なくされている方もいました。また、浸水して路上に放置された車両が3000台に上り、他にも駐車場などで動かなくなりレッカーを待つ車が約4000台以上とJAFがコメントしています。被災された方には心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧復興を祈るばかりです。
 またその後も、8月26日の富山・石川豪雨では24時間雨量がそれまでの1.5倍以上の大幅な記録更新となり、1000年に一度というくらいの雨量を記録しました。
 さらに8月29日には福井県で観測史上最大の豪雨があり、9月に入っても台風24号が秋雨前線を刺激し鹿児島県・宮崎県をはじめ名古屋を筆頭に東海・関東から東北まで広い範囲で被害が出ました。
 最近の豪雨被害の特徴として、線状降水帯により1時間に100ミリと言われる記録的な豪雨が数時間にわたり降り続いて内水氾濫が起きることでしょう。一般には降った雨が河川に流れ込み河川が氾濫するものと比べて、短時間に街中で起こり被害が拡大しています。これは一般的な下水道の整備基準の1時間に50ミリ程度を大きく上回っていることが一因と言われています。
 私たちも2015年9月に関東東北豪雨による線状降水帯を経験しました。利根川に流れ込む小さな河川の宮戸川が氾濫して境町の面積の10分の1が浸水し、初めて栽培にチャレンジした飼料用のトウモロコシも水に浸かって全滅しました。水はなかなか引かず、国土交通省のポンプ車が数台到着して排水を開始しようやく復旧しました。この時線状降水帯という聞きなれない言葉を初めて耳にしましたが、今となっては皆知る言葉になっています。
 1時間50ミリ以上の豪雨の発生件数は近年一貫して増加しています。地球温暖化によりこの傾向は続くと予想されます。しかしながら、日本中の下水の容量を2倍にするのは時間がかかることです。そうなれば、検討しなければならないのは雨水を一時貯水する仕組みです。埼玉県春日部市の地下にある巨大な貯水槽が有名ですが、日本各地に大小様々同様のものを作る必要があるでしょう。
 さらに、透水性舗装と呼ばれる舗装道路から水が地下に染込むような技術も重要になります。雨水を集めて下水に流すのではなく一定量は地下にしみこむような舗装は技術的に可能なはずです。さらにもし舗装道路自体が水を抱えることができるなら、気化熱で道路を冷やす効果も期待できます。そんな技術は世界中も必要としており、戦略物資として輸出も期待できるでしょう。
 いま地球温暖化に手をこまねいていては、将来世代に大きな宿題を残すことになります。最優先事項として日本が取り組むべき課題は、ヒートアイランドにおける内水氾濫対策と言えるのではないでしょうか。

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