AI時代の畜産
AIが生活に入り込みはじめ、様々なシーンでAIと付き合う事が増えています。話し相手としてなんでもAIに聞くという人もいるようで、今後はAIのある生活が当たり前になって行くのでしょう。
畜産の世界でもAIの導入が始まっています。豚舎にカメラを付けて頭数を数えたり、体重を推定したり、出荷計画までAIが作るという話もあるようです。豚の頭数を数えるというのは簡単なようですが、結構難しいことです。豚は動き回るし、豚の陰に別の豚が隠れて寝ていたりするため、人間が頭数を数えると間違いも多いのが事実です。1小屋に20頭いたとして、1頭数え間違えると5%、豚が1万頭いる農場の場合5%は500頭にもなってしまうのです。たいていの農場では、間違えが少ないように熟練のスタッフが数えています。熟練者は5%も間違えないのですが、農場が大型化し熟練者が少なくなると新入社員や外国人技能実習生が数えるようになって、誤差も増えてしまうのです。カメラの画像を認識し、頭数を数えるAIはこうした誤差が無くなることになります。
またカメラの画像で体重を推定するというのも精度が上がっています。一般的な豚では、113kg~120kg程度の体重で出荷すると、格付けで「上物」という範囲に入り高値で取引されやすくなります。そのため出荷時には1頭1頭計量するのですが、専用の秤に載せるのが一苦労で熟練しないと時間がかかってしまいます。真夏などは熟練者でも汗びっしょりになる重労働です。豚を計量せずにカメラで認識できたら、熟練の技術は必要なく省力化に繋がります。
カメラで体重を推定できるということは、今後いつどのくらいの頭数出荷できるのかといった農場経営についても貴重な資料を提供してくれます。出荷計画をAIが作成し、そのために必要な餌の量や売上・利益予測も出せるなら農場長の頼れる相棒になるでしょう。
しかし、AIによって今後10年以内に人類が滅亡する確率は10%以上というAI研究者の警鐘が話題となっています。それは人間の能力を凌駕するAIが、創造者である人間に必ず従う事を保証する方法がまだ存在しないからです。しかし、人手不足や熟練者が育ちにくい業界、特に農業ではAIが救世主になる予感がしています。AIが人の目の代わりをすることによって少人数での作業が可能になる、人口減少社会という世界の先頭を走る日本だからこそ積極的にAIを活用して行くことが必要だと考えています。