地方こそライドシェア
さまざまなモノやサービスがシェアする時代へと向かっています。所有する時代からシェアする時代へ、シェアリングエコノミーとも呼ばれ注目を集めています。その中でもライドシェアに今後注目が集まりそうです。
ライドシェアではアメリカのウーバーが有名です。そもそもウーバーはタクシーや自家用車を配車する会社です。食品の宅配を手掛けるウーバーの事業ウーバーイーツが日本では有名になりましたが、日本に参入したウーバーが最初に手掛けたのは配車事業でした。しかし日本では一般人が自家用車で運送サービスを行うのは「白タク」行為に当たるとして、タクシー業界が反発、国交省から指導が入り配車サービスを中止しています。
しかし、世界的にはライドシェアは普及しています。アメリカではライドシェアをタクシーとは異なるサービスとして、運営者には保険の加入やドライバー向け研修、ドライバーには最低1年の運転経験を求めるなど、一定の責任を課して正式に認めています。これは中国も同様です。日本では旅客輸送サービスを提供する場合、事業許可を取得し、道路運送法などに定められた規定を守らなければなりません。ライドシェアとして認められるのは、災害のため緊急を要する場合と、公共の福祉を確保する目的で市町村や非営利活動法人などが住民の輸送を行う場合などで特殊な状況に限られています。
しかし2016年からは国家戦略特別区域法の一部改正により、特例として観光旅客の運送も可能になるなど規制は少しずつ緩んでいます。さらに純粋な相乗りサービスでは、ガソリン代などの必要経費を案分する場合などは自家用車の運送が可能になっています。
またライドシェア本格解禁を目指す動きもあり、2018年には新経済連盟が国土交通大臣に「ライドシェア新法」を提案しました。実際、地方の観光地などドライバー不足により本来タクシー事業が成り立つ地域においてもサービスが不足しています。一方自民党内では意見が分れています。タクシー・ハイヤー議員連盟の、需要があるところにタクシーのサービスをどう提供していくかがポイントだとライドシェアに反対する意見と、菅前首相や河野デジタル大臣などの賛成する意見があるようです。
観光立国を掲げ年間2000万人という過去最多の外国人が訪れる日本、地方の文化や伝統に触れる旅はこれからますます人気となることでしょう。世界的なライドシェアの流れを求める声が外国人から増え、ライドシェア解禁に動くことになりそうです。