2024年問題を考える
梅山豚は当初から長年ヤマト運輸のクール宅急便を利用しています。トラックドライバー全体の2024年問題の中でもここでは宅配が抱える問題について考えてみましょう。
4月1日から、トラックドライバーの時間外労働への規制強化が始まり、ドライバー不足で物流が逼迫するいわゆる2024年問題がいよいよ深刻化します。宅配を考えると現場の負担になっていると指摘されるのが再配達で、再配達率は11%台が続き改善はまだ見られていません。
そんな中、再配達を減らすカギと言われているのが玄関前に荷物を置いて行く「置き配」の普及です。ヤマト運輸も6月10日からクロネコメンバーズに登録した人を対象に置き配を始めると発表しました。置き配の場所は、玄関のドア前や物置、自転車のカゴなどが選べて、クール宅急便や着払いなどは対象外となるようです。
しかし、現実は置き配を使いたいけどできないというジレンマに直面する人が多そうです。その一つがマンションのオートロックです。大手住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」の掲載物件の中で、オートロック付きの割合は28%、首都圏のみで考えればその比率はもっと高いでしょう。さらに、検索時にオートロックを必須条件して選ぶ割合は50%にもなります。オートロック付きのマンションの場合、たいていはオートロックの外側に住民用の宅配ボックスがありますが、数が限られているのと荷物のサイズが大きいものは難しかったりします。かつては戸数の20%あれば大丈夫とされた宅配ボックスですが、今は50%ないと厳しいと言われています。セキュリティをしっかりするためのオートロックですが、玄関前まで荷物を届けられないという問題があります。対策としては配達員のスマートフォンアプリに日時限定で使えるキーを送るといった仕組みでオートロックを開錠できるスマートロックの導入などが考えられます。
さらに再配達を減らすために再配達の有料化の議論も起きています。明治大学のある調査では1回233円であれば再配達の有料化も妥当というアンケート結果も出ています。レジ袋の有料化の時のように国の旗振りで一斉に有料化するというのもありかもしれません。
置き配の潜在需要は高そうです。家にいても対面の受け取りを避けたいという人も多いからです。対面の受け取りにストレスを感じる人の割合も多く、風呂やトイレに入っていたりして受け取れないという事もありそうです。
始まったばかりの2024年問題ですが、受け手の私たちも協力して乗り越えていく意識が大切です。