2024.09.12

PFASって何?

 梅山豚は井戸水を飲んでいます。1頭が1日10リットルも水を飲む梅山豚、夏は特に飲む量が増えます。井戸水は冷たく美味しいようで、水飲みの前は渋滞になるほどです。井戸水は毎年検査をして飲料水として適切か調べています。飼料の安全性とともに飲料水の安全性は、お肉を販売する上で私たちが最も大切にしている事でもあります。
 ところで、最近聞きなれない言葉で気になっているのがPFAS(ピーファス)です。水道水に含まれているとか、ミネラルウォーターからも検出されたとか、発癌性が指摘されているとか、世界的にも話題になっていて知らない訳にはいかない言葉になっているようです。
 調べてみるとPFASとは「有機フッ素化合物」の総称です。少なくとも4700種類以上存在していて、多ければ1万種類以上あると言われています。
 このPFASは自然界には存在しない物質で、人間が作り出したものです。例えば、フライパンの表面をこびりつきにくくするフッ素加工や、レインコートの撥水加工、チキンナゲットなどの箱の内側のコーティングなどに使われています。その特徴は、
(1)分解されにくい
 PFASが自然界(土壌・水)で半減するまで50年以上かかると言われています。分解されにくいことから、PFASは『フォーエバー・ケミカル』=『永遠に残る化学物質』と呼ばれることもあります。同じように自然界から消えにくいとして使用禁止になった『ポリ塩化ビフェニル』(絶縁体などに使用された)は10~20年で半減すると言われていました。
(2)体内に蓄積されやすい
 PFASが体内から排出され半減する期間は3~5年と言われています。また、妊婦から胎児へ、へその緒を通して約3割の濃度で伝わってしまうことも確認されています。
(3)遠くまで移動する
 水に溶けやすく海から広がり、魚介類から検出されることもあるということです。さらに、ガス状になり空気に乗って遠くまで広がるということです。
 そうしたことから欧米ではPFAS全体を規制する流れになっています。日本でも「水1リットルあたり50ナノグラム」を暫定目標値として規制することになりました。毎日摂取しても健康には影響がないだろうという数字です。一方、ドイツ(2028年から)では水1リットルあたり20ナノグラム、アメリカ(今年4月決定)は水1リットルあたり4ナノグラム。考え方の違いなどにもよりますが、海外では日本に比べて厳しい基準が設けられています。
 PFASの原因は調査中のところもありますが、工場からの汚染水や産業廃棄物からの漏洩などが指摘されています。PFASが健康へどう影響しているのか?正しく畏れるためにも国もしっかり調査し、議論を深めて国民に周知することが大切だと感じます。

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