新年あけましておめでとうございます
皆様におかれましては穏やかなお正月を迎えられていることでしょう。
お陰様で2024年も皆様に支えられ、2025年を迎えることができました。
1989年に梅山豚を輸入して以来昨年が最大のピンチとなりました。皆さんも2023年の猛暑は記憶に新しいことでしょうが、梅山豚の受胎率が9割もダウンしてしまいました。梅山豚の妊娠期間は4ヵ月弱、産まれて9カ月超で出荷となりますので、2023年7月からの猛暑の影響は2024年8月以降の出荷に影響しました。そういうわけで8月から10月までの3ヵ月間出荷休止となり、冷蔵便でお届けしていた百貨店やレストランの皆様に大変ご迷惑をおかけしました。コロナ禍がようやくおさまり、これからという時に3ヵ月間お休みするのは、気候変動の影響とはいえ気持ちを前向きに保つのはとても難しいことでした。
出荷を再開した際に、これまでのお客様はまた注文をしてくださるのかとても不安な気持ちでしたが、いざ受注を再開すると嬉しいことに全てのお客様が注文をしてくださり、3ヵ月前の日常が戻りました。私もスタッフもホッとして笑顔になりました。
そもそも梅山豚は販売先がありませんでした。市場に出荷すると体型の特殊な梅山豚は「規格外」という格付になり安値で取引されました。未熟児がたくさん産まれるため育てるのが難しく成長も遅い梅山豚はコストがかかります。継続するためには買っていただける梅山豚ファンが必要なのです。2024年ほどその梅山豚ファンを実感できた年はありませんでした。
一方、世界ではウクライナ、パレスチナの戦争は長引き、アメリカ、日本では変革を求めリーダーが交代しました。物価高騰が継続し、貧富の格差が激しくなり世界中の国々で分断が起きています。
日本も世界の中の小さな国に過ぎず、世界で起きていることに影響されず生きることはできなそうです。世界では人口が80億人を超え、地球規模の気候変動により安定した食料生産が難しくなっています。限られた食料の奪い合いが今後一層起きると予想されています。グローバルからローカルへ、地政学的なリスクに向かい合うことになるでしょう。私たちが梅山豚で取り組んで来た国産トウモロコシなどの自給飼料は、そんな時代を切り抜けるモデルになると考えています。
私達はこれからも愚直に梅山豚を中心として国産飼料の取り組みや地元貢献に取組み、未来の農業を担う人材を積極的に採用し、さらに美味しい梅山豚をお届けできるようスタッフ一同努力していきます。
梅山豚を通じて『食』と『農』と『環境』という分野の新しい時代に挑戦し続けていく私たちを2025年もどうぞよろしくお願いします。
2025年1月吉日
株式会社 塚原牧場
代表取締役 塚原 昇